IPSIニュースレター2019年12月号

2019.12.19

IPSIニュースレター201912月号(日本語版)「生物多様性のポスト2020目標に向けたランドスケープアプローチに関するテーマ別ワークショップ」報告書、Satoyama Initiative Thematic Review Vol.5完成、他
 
 皆様いかがお過ごしでしょうか。201912月号のIPSIニュースレターをお届けします。日本語では概要のみご紹介しておりますので、詳細は本文をご覧ください。

 

1.IPSI事務局より年末のご挨拶
 
 皆様の変わらぬご支援とご協力に、心より御礼申し上げます。IPSIにとって、2019年は多くの出来事や成果のある実り多い年となりました。お陰様でIPSIメンバーは、全世界から258団体を数えるまでになりました。皆さまには、2020年に向けてケーススタディの提出もご検討いただきつつ、今後も皆さまとの連携を密にして、IPSIの発展を期したいと思っておりますので、引き続きのご支援とご協力をお願い申し上げます。(IPSI事務局)

 

2.「生物多様性のポスト2020目標に向けたランドスケープアプローチに関するテーマ別ワークショップ」報告書

 20199月にIPSI事務局が熊本で主催した「生物多様性のポスト2020目標に向けたランドスケープアプローチに関するテーマ別ワークショップ」の報告書が完成しました。 生物多様性条約(CBD)は、「生物多様性戦略計画2011-2020」を継承する2021年以降の生物多様性枠組の策定プロセスに着手しています。IPSIが推進しているランドスケープアプローチは、生物多様性政策をより効果的にする可能性を有しています。本報告書には、これらのアプローチを生物多様性枠組に組み込むための政策提言が多く掲載されています。ワークショップにご参加下さった皆様、報告書にご協力下さった皆様、ありがとうございました。本報告書が政策立案者やその他の人々にとって有意義な資料となることを願っています。
 本報告書はこちら(英語)よりダウンロード可能です。

 

3.新刊のお知らせ:「Satoyama Initiative Thematic Review Vol.5

 国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)と公益財団法人 地球環境戦略研究機関(IGES)は、「Satoyama Initiative Thematic Review vol.5(SATOYAMAイニシアティブ主題レビュー第5巻)」を刊行しました。本巻は、「社会生態学的生産ランドスケープ・シースケープ(SEPLS)における持続可能な利用に関する多様な価値の理解(Understanding the Multiple Values Associated with Sustainable Use in Socio-ecological Production Landscapes and Seascapes)」をテーマとし、IPSIメンバーより選定された11件のケーススタディとそれらの共通点や政策提言をまとめた総括を掲載しています。

 本巻では、「自然の多様な価値 (multiple values of nature)が生物多様性の持続可能な利用を通じてどのように提供、維持されているかについて考察しています。また、様々な社会・政治的および生態系の状況を考慮して、統合的かつ包括的なアプローチが、どのように本質的かつ有益で合理的な価値を提供し、生物多様性と人々の両方に経済的、社会的・文化的、生態学的な持続可能性をもたらすかを示しています。

 本書の電子版は、こちら(英語)よりダウンロードいただけます。

 

4.投稿募集:Satoyama Initiative Thematic Review Vol.

 国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)と公益財団法人 地球環境戦略研究機関(IGES)は、「Satoyama Initiative Thematic Review Vol.6SATOYAMAイニシアティブ主題レビュー第6巻)」を刊行するにあたり、IPSIメンバーからの投稿を募集しています。本巻のテーマは、「社会生態学的生産ランドスケープ・シースケープ(SEPLS)の多様な価値による社会変容(Transformative change through the multiple benefits of SEPLS)」です。本テーマに関連するケーススタディをお持ちのIPSIメンバーは、是非ご応募ください。要旨(英文400語)の応募締切は2020115日、本論の締切は2020315日です。

 詳細はこちら(英語)をご覧ください。

 

5.ポスト2020生物多様性枠組・目標に関する最近の会合及びイベント

 IPSI事務局のスタッフは、生物多様性条約事務局(SCBD)が201911月にカナダのモントリオールで開催した以下のイベントに参加しました。
 
  IPSI事務局の運営を担うUNU-IASは、1127日にSCBD及び日本国環境省との共催で「ポスト2020目標に向けたランドスケープアプローチに関する専門家テーマ別ワークショップの成果」と題したサイドイベントを開催しました。本イベントでは、CBD関係者に政策提言や知見を提示するため、20199月に熊本で開催された専門家テーマ別ワークショップの成果を報告しました。

 また、ポスト2020生物多様性枠組の策定プロセスに関連した以下のイベントにも参加しました。
 
 IPSIが推進している手法を含む「ランドスケープ・シースケープアプローチ」は、上記イベントにおいて高い注目を集め、2020年以降、国際的な生物多様性政策の重要な要素になることが期待されます。

 ポスト2020プロセスに関する詳細はこちら(英語)をご覧ください。

 

6.UNU-IAS 2020年度ポスドクフェローシップの入学願書受付開始

 国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)は、2020年度ポスドクフェローシップの願書の受付を開始しました。本フェローシップは海外の若手研究者を対象とした「日本学術振興会(JSPS)と国連大学によるポスドクプログラム」です。UNU-IASが行う研究やトレーニング・プログラムに直接携わることができ、国際SATOYAMAイニシアティブも、この研究対象プロジェクトのひとつとなっております。願書の締め切りは、2020221日です。応募条件に該当される方は、UNU-IASのウェブサイトより申請フォームをダウンロードのうえ、ご応募ください。

 本プログラムの詳細は、こちら(英語)をご覧ください

 

7.プロジェクト紹介:ヴィクトリア湖(ウガンダ)におけるベチバー草の植栽

 ウガンダを拠点に活動しているIPSIパートナーの「環境保護情報センター(Environmental Protection Information CentreEPIC))は、ヴィクトリア湖に流れ込む堆積物による湖の汚染を軽減するため、湖畔にベチバー草を植栽する活動をしています。20193月にはKikondo漁村にベチバー草の種苗場を設け、現在5つのコミュニティの農家に挿し木の提供を行っています。ヴィクトリア湖に面したWanyange地域ではホテイアオイが船着き場を封鎖するほどに繁茂していましたが、ベチバー草の植栽後、湖への堆積物の流入が緩やかになってきています。本プロジェクトは、IPSIの協力活動であるSATOYAMA保全支援メカニズム(SDMの一環として、EPICを実施機関として行われており、対象となる地域コミュニティに対して無料で植栽材料を提供すると共に、関心ある組織とのコラボレーションを呼び掛けています。

 プロジェクトの詳細はこちら(英語)をご覧ください。




8.IPSIメンバーによる出版物の紹介:生態学とビジネス

 ロシアを拠点に活動しているIPSIメンバーの「Bureau for Regional Outreach Campaigns (BROC)」は、四半期ごとに雑誌「生態学とビジネス」を発行しています。最近のものでは、アグロフォレストリーの重要性について取り上げ、同国における現行の土地規約が、農地の所有者や賃借人に農地における木々を伐採するよう要求し、これが気候変動への影響や森林火災に発展している問題を挙げ、市民社会が連邦議会に対し、全く新しい森林規約を策定し、農地における森林を地域コミュニティの森林として法的に認めるよう強く求めていることなどについて述べています。

 出版物の詳細はこちら(ロシア語)をご覧ください。

 

 なお、本ニュースレターで共有を希望されるイベント等の情報がございましたら、IPSI事務局までご連絡ください。また、日本語の記事をお送りいただければ日本語版ニュースレターに掲載致します。皆様からの情報提供をお待ちしております。

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SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)事務局
国際連合大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS
東京都渋谷区神宮前5-53-70
電話:03-5467-1212(代表)
E-mail: isi@unu.edu

ご連絡先やメールアドレスに変更があった場合は、事務局までお知らせください。
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*SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)は、日本国環境省の支援により運営されています。