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IPSIニュースレター2020年2月号
2020.02.20
IPSIニュースレター2020年2月号(日本語版)【ポスト2020生物多様性枠組の策定に関する最新情報、ランドスケープ・シースケープに関する新刊の紹介、ケーススタディ紹介他】
皆様いかがお過ごしでしょうか。2020年2月号のIPSIニュースレターをお届けします。日本語では概要のみご紹介しておりますので、詳細は本文をご覧ください。
1.ポスト2020生物多様性枠組の策定プロセスに関する最新情報
IPSIパートナーと事務局は、生物多様性条約(CBD)の下で議論されている「ポスト2020生物多様性枠組」の策定プロセスにおいて、「社会生態学的生産ランドスケープ・シースケープ(SEPLS)」を含むランドスケープアプローチが重要な要素の一つとして、次期枠組に組み込まれるよう、引き続き積極的に働きかけてまいります。
先月号でも紹介したとおり、CBD事務局が策定・公表した次期枠組のゼロドラフトは、こちら(英文)よりダウンロード可能です。本素案に、現時点では「ランドスケープアプローチ」への直接的な言及はないものの、その基本概念の多くが、包摂されています。SATOYAMAイニシアティブなどのランドスケープアプローチが反映されるよう、積極的に働きかけてまいりたいと思います。
IPSI事務局スタッフは、今後以下の会合に参加予定です。
- ポスト2020生物多様性枠組に関するレビュー手法及びメカニズムについてのテーマ別会合(2020年2月20-22日 イタリア・ローマ)
- ポスト2020生物多様性枠組に関する第2回公開ワーキンググループ(OEWG-2)(2020年2月24-29日 イタリア・ローマ)
- ポスト2020生物多様性枠組に関する能力構築についてのテーマ別会合(2020年3月1-2日 イタリア・ローマ)
- ポスト2020生物多様性枠組に関する生物多様性の持続的な利用についてのテーマ別会合(2020年3月30日-4月1日 スイス・ベルン)
- 第24回科学技術助言補助機関会合(SBSTTA(サブスタ)24) (2020年5月18~23日、カナダ・モントリオール)
- 第3回生物多様性条約実施補助機関会合(SBI-3)(2020年5月25~30日、カナダ・モントリオール)
- ポスト2020生物多様性枠組に関する第3回公開ワーキンググループ(OEWG-3)(2020年7月27-31日(予定) コロンビア・カリ)
上記会合にご参加予定の方は、ぜひIPSI事務局までご連絡ください。
また、ポスト2020生物多様性枠組プロセスに関する詳細はこちら(英文)をご覧ください。
2.新刊のお知らせ: アジアにおける持続可能なコミュニティのための社会生態学的生産ランドスケープ・シースケープ(SEPLS)の管理
国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)の学術研究官である齊藤修氏らが編纂したSEPLSに関する学術書「Managing Socio-ecological Production Landscapes and Seascapes for Sustainable Communities in Asia Mapping and Navigating Stakeholders, Policy and Action」がSpringer Natureの「Science for Sustainable Societies」シリーズの一つとして刊行されました。本書には、UNU-IASのシニア・コミュニケーション・コーディネーターのウィリアム・ダンバーらによる「SATOYAMAイニシアティブの下の「SEPLSにおけるレジリエンス指標」の活用から得られた教訓」、UNU-IASの学生であるRaffaela Kozarらによる「アジアにおけるSEPLSの保全と再生のための地域ベースの解決策」、IPSIメンバーらによる章も含まれています。
本書はこちら(英文)よりご覧いただけます。
3.【締切間近】UNU-IAS 2020年度大学院プログラムの入学願書受付
UNU-IASは、2020年度大学院(修士・博士)プログラムの入学願書を受付中です。両プログラムともに2020年9月に新年度を開始し、講義はすべて英語で行われます。
<締め切りについて>
入学願書の応募締切は、修士課程サステイナビリティ学が2020年2月28日、博士課程サステイナビリティ学が2020年4月10日です。
出願はUNU-IASのonline application website(英語)から可能です。本プログラムの詳細は、こちらをご覧ください。上記詳細をご確認の上、ご質問等は、アドミッションオフィスまでお願いします。
<プログラムについて>
UNU-IASのプログラムは、持続可能な未来の実現に向け、特にサステイナビリティに関する世界的な取組の最前線で活躍できる人材の育成を目指しています。
学生は、国連の枠組下にある国際的な大学で学ぶという、またとない機会を得ることができます。また、UNU-IASの政策研究プロジェクトに積極的に関わることで、学術的知識に加え、実践的な研究能力を身につけることができます。
本プログラムは、国連機関やその他の国際機関、政府関係機関、国際NGOや民間企業等における国際的なキャリアを目指す新卒者、社会人、実務者を対象としています。学生は、UNU-IASだけでなく上智大学や国際基督教大学などでも単位を取得することができ、東京大学大学院新領域創成科学研究科(UT-GSFS)や上智大学とのジョイント・ディプロマプログラムで学ぶ機会もあります。
UNU-IASの修士課程では東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻とのダブル・ディグリープログラムを開始します。両大学の入学試験に合格した学生は、東京大学での2年間の修士課程の後にUNU-IASでの1年間の修士課程を経て、最短で3年間で2つの修士号を取得する機会も与えられます。
多くの方のご応募をお待ちしております。またお知り合いにも是非ご案内ください。
4.ケーススタディ紹介:循環型経済村の創造プロジェクト(PolisPlan)
オーストラリアを拠点とするIPSIパートナーの「ポリスプラン(PolisPlan)」は、「土地開発のための新たな枠組:分散化かつネットワーク化されたグローバル都市における循環型経済村の創造」プロジェクトを提案しています。
本プロジェクトは、リジェネレティブ(再生可能な)農業と都市環境を融合させた、再生可能な土地開発の新モデルの開発推進を目指しています。地域社会では、気候変動や社会的不平等、今後の働き方といった課題に対処するための代替的な生活様式が強く求められています。現在の地方自治体の計画政策は、 「循環型経済村」 や労働集約的な再生可能な農業のような革新的なプロジェクトを支持する仕組みがなく、しばしば障害にさえなっています。一方で、ポリスプランのプロジェクトは、戦略的土地利用計画メカニズムを開発し、各モデルのパイプラインを作ることを目指しています。議会が投資と経済活動の誘致に熱心な地域では、議会と地域コミュニティにウィン‐ウィンの関係を生み出すことができます。循環型経済村は地方にとって理想的で、デジタルノマドらに、再生可能な食糧システムや水とエネルギーのマイクログリッドに統合された手ごろな住宅や就業機会を提供します。また、炭素農法によって生物多様性を高め、炭素回収によって土壌を改良することができるのも循環型経済村の特徴の一つです。本プロジェクトは、プレゼンテーションやワークショップを通じて、まずは地方自治体の議会や自治体職員、地域社会からの支持を得ることを目指し、その後、自治体で本プロジェクト案が採択されると、土地や投資家の候補選びが始まる予定です。
本プロジェクトの詳細はこちら(英文)をご覧ください。
なお、本ニュースレターで共有を希望されるイベント等の情報がございましたら、IPSI事務局までご連絡ください。また、日本語の記事をお送りいただければ日本語版ニュースレターに掲載致します。皆様からの情報提供をお待ちしております。
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SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)事務局
国際連合大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)
東京都渋谷区神宮前5-53-70
電話:03-5467-1212(代表)
E-mail: isi@unu.edu
□ご連絡先やメールアドレスに変更があった場合は、事務局までお知らせください。
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