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生物多様性条約第17回科学技術助言補助機関会合(SBSTTA17)でのサイドイベント開催報告

2013.10.15

生物多様性条約第12回締約国会議(COP12)の各議題について検討を行なう生物多様性条約第17回科学技術助言補助機関会合(SBSTTA17)がカナダ・モントリオールで開催され、10月15日にサイドイベントとして「コミュニティの視点から 社会生態学的生産ランドスケープ・シースケープ(SEPLS)の回復力への理解のための指標アプローチ」が開催されました。

指標アプローチは、生物多様性条約や他の関連条約の個別目標を達成する際の進捗状況を把握するために使われており、サイドイベントでは国連大学高等研究所とバイオバーシティ・インターナショナルが開発したSEPLSのレジリエンスを様々な視点から測る一連の指標を強調しました。また、国家レベルでの生物多様性評価の成果や、愛知目標の達成・エコシステムアプローチ実施に向けて異なる形式の指標や評価がどのように相互補完しあえるのか話し合いました。

サイドイベントでは、鈴木渉氏(IPSI事務局・国連大学高等研究所)よりSEPLS・IPSI・IPSIの活動説明や指標開発についての成果に関する紹介があり、岡安早菜氏(公益財団法人地球環境戦略研究機関)よりSEPLSのレジリエンスを測る指標のツールキットの内容と適応性・有効性についての説明、奥田直久氏(環境省)よりレジリエンスを測る指標の国家レベルでの応用例として国家生物多様性戦略・行動指針についての発表がありました。

プレゼンテーションに続いて、アルフレッド・オテン・イェボア氏(ガーナ国家生物多様性委員会議長)の司会進行により討議が行われ、デイビット・ダーシー氏(生物多様性条約事務局)から、当該指標は生物多様性愛知目標の12の目標とリンクしているが、測定の問題は扱いが難しいため長所にもチャレンジにもなりうるとの指摘があった。また、デイビット氏は、SEPLSは世界各地に見られるため、このような指標は多くの地域で適応可能で有用なツールとなりうるとも言及した。

モントリオール1

モントリオール2

サイドイベント参加者からは、コミュニティや被災地での確実な結果やコミュニケーションの仕組み等を考察する際に、指標の適切な価値と規模での適応は重要な要素となりうるかについての問題等が挙げられました。また、、こうした提案や発言が世界各地の多様な生態系でのテストに基づいて指標を最新化することや指標の開発・改良に貢献するとの指摘もありました。

 

サイドイベント資料

サイドイベント・プログラム(英)

SEPLSのレジリエンス理解のための指標アプローチ(英):鈴木渉氏(IPSI事務局・国連大学高等研究所)

指標とツールキットの開発(英):岡安早菜氏(公益財団法人地球環境戦略研究機関)

生物多様性総合評価の日本の経験(英):奥田直久氏(環境省)