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SDGsおよび昆明・モントリオール生物多様性枠組達成のための地域主導のイニシアティブについて

2024.07.19

UNU-IAS国連持続可能な開発のためのハイレベル政治フォーラム(HLPF2024のサイドイベントを2024年7月17日に共催しました。本イベントは生物多様性および自然資源の持続可能な利用のための地域主導のイニシアティブを支援するプログラムであるSATOYAMAイニシアティブ推進プログラム(COMDEKS)について焦点をあてたものです。

COMDEKSSATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップIPSI)の旗艦プログラムとして社会生態学的ランドスケープ・シースケープ(SEPLS)の生物多様性保全及び持続可能な管理のため、小規模無償資金を地域に供与しています。また、地域レベルでの持続可能な開発目標(SDGs)及び昆明・モントリオール生物多様性枠組の目標達成を目指す取り組みに貢献しています。

Marcos Neto氏(UNDP アシスタントアドミニストレーター、ディレクター)がセッションのオープニングにおいて強調したのは、地球規模で不平等が拡大するなかでの自然の損失、劣化、気候変動、紛争と不安定化、健康危機への喫緊の取り組みの必要性です。氏は自然がこれらの複合的な課題に取り組むための非常に強力な強みであると述べました。

朝日健太郎氏(日本国環境省、環境大臣政務官)は15ヶ国で実施される予定のCOMDEKSフェーズ4への日本からの資金支援を重ねて強調し、このプログラムのこれまでの成果によるGBF策定への貢献について述べました。西澤敬二氏(経団連自然保護協議会(KNCC) 会長)はネイチャーポジティブ社会実現のため、KNCCからの今後5年間での3億円の資金支援について述べました。

山口しのぶ氏(国連大学サステイナビリティ高等研究所 所長)は先ごろ公表された「社会生態学的生産ランドスケープ・シースケープ(SEPLS)におけるレジリエンス指標に関するツールキット」について、地域社会がレジリエンス(回復力)― 地域社会がその環境や経済的状況を守るため、社会的、経済的、環境的圧力を誘導する能力 ―についてより理解を深めるための実践的ツールとして紹介し、これを強化する実践活動を奨励しました。

武内和彦氏(地球環境戦略研究機関 理事長)はSEPLS(持続可能な生産活動が生物多様性と生態系サービスを維持すると同時に地域の暮らしを強化している地域)でのIPSIの取組について述べました。

カメルーン、ペルー、トルコの各地域で活動している方々によって、COMDEKSプロジェクトでの経験が共有され、持続可能な開発の達成において、また、各地域における変化の主要な要素として女性活躍推進における草の根のイニシアティブが果たす重要な役割が強調されました。

本サイドイベントは経団連自然保護協議会、日本国環境省、国連開発計画GEF小規模グラント・プログラム、生物多様性条約事務局、地球環境戦略研究機関との共催で開催されました。詳細はIISD(International
Institute for Sustainable Development)のウェブサイト
をご覧ください。

 

COMDEKSとは

COMDEKS2011年よりSATOYAMAイニシアティブのビジョンとして掲げられた「自然共生社会」の実現に貢献しています。世界20カ国で活動しており、地域の団体に対し小規模無償資金支援を行うことで、ひとが生態系と共生関係を持つ社会生態学的生産ランドスケープ・シースケープ(SEPLS)の維持及び再建を支援しています。詳細についてはCOMDEKSウェブサイトをご覧ください。