IPSIニュースレター2019年9月号

2019.09.09

IPSIニュースレター2019年9月号(日本語版)【ポスト2020目標のテーマ別専門家ワークショップ、IPSI第8回定例会合(IPSI-8)開催報告 他】
 
 皆様いかがお過ごしでしょうか。2019年9月号のIPSIニュースレターをお届けします。概要のみ日本語でご紹介しておりますので、詳細は本文をご覧ください。

 

1. ポスト2020目標のテーマ別専門家ワークショップ

 2019年9月3日~6日、IPSI事務局として国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)は、生物多様性条約事務局および環境省、熊本県との共催により「生物多様性のポスト2020目標に向けたランドスケープアプローチに関するテーマ別専門家ワークショップ」を熊本県熊本市にて開催しました。本ワークショップは、「SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ第8回定例会合(IPSI-8)」と同時に開催されました (IPSI-8の詳細は下記をご覧ください)

 2011年から2020年までの「国連生物多様性の10年」、生物多様性戦略計画2011-2020及び愛知目標の終了を迎えるにあたり、新たな生物多様性のポスト2020目標を策定するプロセスが開始されています。生物多様性条約第14回締約国会議(CBD COP14)では、新たな目標の策定に向けて、一連の地域別・テーマ別会合、並びに公開ワーキンググループ(OEWG)を含む検討プロセスが決議されました。その一環として開催された本ワークショップの成果は、今後の検討プロセスやポスト2020目標に貢献するものとなります。

 ワークショップには、IPSI-8の出席者、CBD締約国および特定の専門分野からの専門家が参加しました。参加者は、ランドスケープアプローチに関連した多岐にわたるテーマを議論し、ランドスケープアプローチが2020年以降の生物多様性政策に寄与する数多くの方法を提案しました。また、このワークショップとIPSI-8の合同イベントとして、「生物多様性保全に向けた社会生態学的生産ランドスケープ~里山・里海~」と題した公開フォーラムが開催されました。

詳細は、IPSIのウェブサイトをご覧ください。

 

2. IPSI第8回定例会合(IPSI-8)

SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ第8回定例会合(IPSI-8)」が熊本にて開催されました。今年は、「生物多様性のポスト2020目標に向けたランドスケープアプローチに関するテーマ別専門家ワークショップ」との同時開催でした (詳細は上記参照)
 今回のIPSI-8では、第14IPSI運営委員会、IPSI総会、公開フォーラム(テーマ別専門家ワークショップとの合同イベント)、エクスカーション(現地視察)が実施されました。IPSIメンバーのみが参加する総会では、主にIPSIの今後の運営・活動の方向性、並びにIPSI運営委員会メンバー交代について情報共有されました。9月6日には、熊本県主催のエクスカーションが実施され、参加者は、世界農業遺産(GIAHS)である阿蘇地域の「阿蘇の草原の維持と持続的農業」や持続可能な漁業に取組んでいる水俣などの里山里海を視察しました。
 共催いただいた生物多様性条約事務局および日本国環境省、熊本県をはじめ、ご参加いただいた皆様のご支援のもとに、本会議は無事に終了いたしました。ありがとうございました。

 発表スライドやIPSI-8の報告書は後日、こちらのウェブサイトに掲載いたします。

 

3. 新規IPSIメンバー(5団体)

 9月初旬に行われた第14IPSI運営委員会において、新たに5団体がIPSIメンバーとして承認されました。これにより、IPSIメンバーは計258団体となりました。新規メンバーは下記の通りです。

カラガ州立大学 環境管理・エコガバナンス研究センター (CRÈME) (学術・教育・研究機関、フィリピン)
クラレンドン教区開発委員会慈善団体 (NGO、ジャマイカ)
環境保護局 (EPA) (政府機関、イエメン)
環境保護保全団体 (EPCO) (NGO、モーリシャス共和国)
スウェーデン農業科学大学 スウェーデン生物多様性センター (学術・教育・研究機関、スウェーデン)

 5団体のうち4団体は、これまでIPSIメンバーが不在となっていた国からの初めての参加となるため、IPSIの地域的なプレゼンスを高めることに繋がると期待されます。

 



4. 新たなIPSI協力活動の承認

 第14IPSI運営委員会において、新たに1つの協力活動が承認されました。これにより、IPSI協力活動数は48となりました。新たな協力活動は下記の通りです。

  • Livelihood Enhancement and Institution Building for Natural Resource Management on the Weto Landscape」:協力活動メンバーは、IPSIメンバーであるグリーン・グローブ・ガーナ及び農村開発促進組織 (ARDO)に加え、ケープ・コースト大学(農業経済・普及学部)、ヴォルタ州養蜂家協会(VORAB)、林業委員会、ガーナ国立消防隊、ガーナ食糧農業省で構成。
 IPSIメンバーが、他のメンバーと協力して実施する活動(IPSI協力活動)は、IPSIのパートナーシップや知識共有を通じたSEPLS管理の向上を図るよい機会となります。IPSI協力活動となる可能性のある活動がありましたら、IPSI運営事務局にご連絡ください。

 


5. IPSI運営委員会 メンバー交代について

 IPSI 運営委員会は、IPSI総会において選出された1122名のIPSIメンバーで構成され、総会2期にわたりその役割を務めます。2019年9月に開催されたIPSI-8総会にて、次期の運営委員会は下記メンバーに決定されました。

・ガーナ共和国国家生物多様性委員会 (議長)
・カマナ農工業開発協会 (APAIC)
・コンサベーション・インターナショナル
・コンサベーション・ソリューションズ・アフリカ
・フォーレスト・ピープルズ・プログラム(FPP
・財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)
・カトマンズ森林大学(KAFCOL
・海洋生態系保護区トラスト(MEPA)
・カンボジア王国環境省
・日本国環境省
・ネイチャー・アンド・ライブリフッド
・アグロバイオダイバーシティ・リサーチ・プラットフォーム(PAR
・マレーシア・サバ州天然資源庁サバ州生物多様性センター
・生物多様性条約事務局(SCBD
・国連開発計画(UNDP
・国連大学(UNU
・ジョージア大学地理学部新熱帯山岳学共同実験室
・サラエボ大学理学部

今回運営委員会を退任された9団体、自然及び持続可能な開発協会(ANDES)、バイオバーシティ・インターナショナル、国際熱帯木材機関(ITTO)、ケニア湿地生物多様性研究チーム(KENWEB)、リブ・アンド・ラーン環境教育(LLEE)、スワミナサン研究財団 (MSSRF) 、ネパール連邦民主共和国森林土壌保全省、地球環境ファシリティー事務局(GEF)、太平洋地域環境計画事務局(SPREP)には、在任中、ご尽力をいただき、心から感謝致します。引き続きの連携を期待しております。

 

6.新IPSIメンバー紹介:ポリスプラン

 ポリスプランは、オーストラリアを拠点にモバイルタウン計画および戦略的エンジニアリングのコンサルタントを行う企業で、先端技術を駆使したリゾート式農村再生ネットワークの構築をビジョンとしています。最大居住人口を200人として設計する各村では、共同空間(職場/住居)に水・エネルギーのマイクログリッドおよび再生的な農作物システムを導入します。この再生村落デザインは、ゼロ・ウェイストおよびワン・プラネット・リビングを目指し、効率最大化を追求して食糧、水、エネルギー、建築環境との結びつきに焦点を当てた循環経済(Circular Economy)の原則に基づいています。本団体は、様々な研究者、地域団体、コンサルタント等と協力しながら、パイロット事業の構築に向けて取り組んでいます。

 本団体の詳細は、ポリスプランのウェブサイト(英語)をご覧ください。

 

 なお、本ニュースレターで共有を希望されるイベント等の情報がございましたら、IPSI事務局までご連絡ください。また、記事は日本語版ニュースレターのみの掲載も可能です。皆様からの情報提供をお待ちしております。

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SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)事務局
国際連合大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS
東京都渋谷区神宮前5-53-70
電話:03-5467-1212(代表)
E-mail: isi@unu.edu
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