IPSIニュースレター2019年10月号

2019.10.24

IPSIニュースレター201910月号(日本語版)【CBD SBSTTA-23参加、新規IPSIメンバー紹介 他】

 
 皆様いかがお過ごしでしょうか。201910月号のIPSIニュースレターをお届けします。概要のみ日本語でご紹介しておりますので、詳細は本文をご覧ください。



1.生物多様性条約第23回科学技術助言補助機関会合(SBSTTA-23)およびWG8J-11

 国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)は、IPSI事務局として、カナダのモントリオールで開催される生物多様性条約第23回科学技術助言補助機関会合(CBD SBSTTA-23112529日)、並びに第11回条約第8条(j)及び関連条項に関するアドホック公開作業部会(WG8J-11112022日)に参加します。当会合では、UNU-IASとしてサイドイベントを開催予定です。詳細は後日公開します。本会合にご参加予定のIPSIメンバーは、ぜひIPSIイベントにもご参加ください。

 本会合の詳細は、生物多様性条約事務局のウェブサイト(英語)をご覧いただけます。
 

 

2.SATOYAMAイニシアティブに関する国際シンポジウム(台湾)

2019年917日~19日、台湾花蓮県にて、アジア太平洋食糧肥料技術センター(FFTC)が、IPSIメンバーである行政院農業委員会花蓮区農業改良場(HDARES)および行政院農業委員会林務局、IPSI事務局と共同で、国際シンポジウム「Implementing the Satoyama Initiative for the Benefit of Biodiversity and Human Well-being」を開催しました。参加者は、SATOYAMAイニシアティブに関連したアイディアやプロジェクトの実施に関する知識や経験を共有し、持続可能な農村開発のための社会生態学的生産ランドスケープ・シースケープ(SEPLS)の管理を通じて、生物多様性と人々の豊かな暮らしを両立させる可能性について議論しました。IPSI事務局のメンバーであるイヴォーン・ユー研究員が、「Conserving Biodiversity for Sustainable Futures - Perspectives from the International Satoyama Initiative (持続可能な未来のための生物多様性の保全 –Satoyamaイニシアティブからの視点)」をテーマに基調講演を行いました。

 本会合の詳細は、 FFTCのウェブサイト(英語)をご覧ください。






 

3.新規IPSIメンバー紹介:ノイマルクト・イン・デア・オーバープファルツ ランドケア協会(ドイツ)

 ノイマルクト・イン・デア・オーバープファルツ ランドケア協会は、ドイツに173ある他のランドケア協会(LCA)同様、文化景観の回復、保護、開発を主な目的とした非営利団体です。ランドケア協会の特徴、およびその成功の要因の一つは、理事会が同数の地方自治体、農民組織、自然保護活動家から成る平等性です。

 本団体は、1995年の創設以来、ノイマルクト・イン・デア・オーバープファルツ地域のジュラ紀から変わらない景観の多様性と独自性を保全し、その価値を高めるべく、文化景観の保存に努めてきました。草地とジュニパーヒース(香草・薬草の一種)の草刈りや、湿原と現地固有の動植物の保全、川と池の再生など様々な活動を行っています。農村開発のさらなる支援のために、農業従事者への助言や、欧州やドイツ連邦政府の資金利用の支援を行っています。また、環境教育および地域開発センター「HAUS AM HABSBERG」を設立し、楽しみながら自然保護の実体験ができるトレイルを作り、人々への啓蒙活動を行っています。ノイマルクト・イン・デア・オーバープファルツ ランドケア協会は、他の3つのランドケア協会や地方政府と共に、放牧羊と牛、アップル・スプリッツァー(カクテルの一種)と蜂蜜を「Juradistl」の商標の下、地域マーケティングの実施と管理を開始しました。「Juradistlプロジェクト」は、長年にわたる献身的かつ革新的な思考と決意から、農業従事者、地元企業、レストランやホテル経営者のネットワークとともに、地域の環境保護と持続可能な開発を支援する為に、地域の製品と環境に配慮した観光のパッケージを生み出しました。

 本団体に関する詳細は、こちら(英語)からご覧頂けます。





4.ケーススタディ紹介:持続可能な開発戦略研究所(キルギス)

 IPSIメンバーである、キルギスの公益財団法人「持続可能な開発戦略研究所」は、「Traditional knowledge for climate resilience: Collaborative strategies to mitigate vulnerability and enhance adaptation of pastoralism to climate change)」と題したケーススタディを提出しました。本研究によると、何世紀もの間、キルギスタンの山岳地帯のコミュニティの主な生活様式である遊牧は、原始的と評されることも多いですが、実際には、山岳放牧コミュニティの経済や生計に大きく貢献しており、国の更なる発展にも大きく貢献する可能性も秘めています。環境を利用する上での移動性、柔軟性、相互性や生態学的な面において、高いスキルと伝統を実証しています。この伝統的遺産の多く、特にその精神的で神聖な、観念的 (イデオロギー的)側面は、ロシア植民地とソビエト連邦の時代に失われてしまいましたが、伝統的な遊牧民の文化と精神性を理解し復活させる新しい方法を探している数多くの地元のイニシアチブが存在しています。

 ケーススタディの詳細は、こちら(英語)をご覧ください。

 

  なお、本ニュースレターで共有を希望されるイベント等の情報がございましたら、IPSI事務局までご連絡ください。また、記事は日本語版ニュースレターのみの掲載も可能です。皆様からの情報提供をお待ちしております。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)事務局
国際連合大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS
東京都渋谷区神宮前5-53-70
電話:03-5467-1212(代表)
E-mail: isi@unu.edu

□連絡先やメールアドレスに変更があった場合は、事務局までお知らせください。
□当ニュースレターの配信登録はこちら
SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)は、日本国環境省の支援により運営されています。