IPSIニュースレター2020年3月号

2020.03.24

IPSIニュースレター2020年3月号(日本語版)ポスト2020生物多様性枠組の策定に関する最新情報、大学院プログラムの募集、ケーススタディ紹介他

 皆様いかがお過ごしでしょうか。2020年3月号のIPSIニュースレターをお届けします。日本語では概要のみご紹介しておりますので、詳細は本文をご覧ください。



1.
ポスト2020生物多様性枠組の策定プロセスに関する最新情報


 IPSIパートナーと事務局は、生物多様性条約(CBD)の下で議論されている「ポスト2020生物多様性枠組」の策定プロセスにおいて、「社会生態学的生産ランドスケープ・シースケープ(SEPLS)」を含むランドスケープアプローチが重要な要素の一つとして、次期枠組に組み込まれるよう、引き続き積極的に働きかけてまいります。

 その取組の一環として、IPSI事務局スタッフは、以下の会合に参加しました。

 先月号でお伝えしたとおり、事務局は、今月と来月もいくつかの関連会合に参加予定でしたが、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の世界的な感染拡大により、この先しばらくの会合は開催延期となりました。事態が早く収束し、本策定プロセスも進展することを願っております。今後の情報については、引き続き本ニュースレターで更新していきますので、ご確認ください。

 ポスト2020生物多様性枠組プロセスに関する詳細はこちら(英文)をご覧ください。


2.ランドスケープアプローチに関する会合

 

 イタリア・ローマの国連食糧農業機関(FAO)本部で2月24日から開催された「ポスト2020生物多様性枠組に関する第2回公開ワーキンググループ会合(OEWG-2)」に先立ち、2月23日、国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)は、日本国環境省、オランダ農業・自然・食品安全省、オランダ環境評価庁と共に「ポスト2020生物多様性枠組に向けたランドスケープ・シースケープ・アプローチに関する非公式会合」を開催しました。生物多様性条約(CBD)の交渉に参加する各国代表メンバーを中心に約35名が参加し、生物多様性政策をより効果的なものにするため、ランドスケープ・アプローチがどのように貢献できるか、活発な議論を行い、世界各国の知見を共有しました。

 議論の結果、ランドスケープアプローチの有用性として、全ての利害関係者の参画による包括性の向上、地域間連携の向上による保護地域の管理と空間計画の強化、多様なレベルでの政策の整合・協調に役立つことが挙げられました。

 本会合の詳細はこちらをご覧ください。


3.Satoyama推進コンソーシアムによる実践者の集い

 

 2月23日、三重県志摩市で開催されたJapan Times Satoyama推進コンソーシアム主催「第2回Satoyama推進コンソーシアム第2回Satoyama実践者交流会」にIPSI事務局長の瀧口博明がパネリストとして登壇し、IPSIと事務局の活動内容について発表しました。本コンソーシアムは、国内を中心に「里山資本主義」に基づくSatoyamaという概念の発信を行っており、本年の交流会では『SDGsを里山里海で考える』などをテーマに議論が行われました。

 

 本イベントに関する詳細はこちらをご覧ください。




4.【締切間近】UNU-IAS 2020年度大学院プログラムの入学願書受付


 UNU-IASは、2020年度大学院プログラム博士課程(サステイナビリティ学)の入学願書を受付中です。本プログラムは2020年9月に開始し、講義はすべて英語で行われます。入学願書の応募締切は、2020年4月10日で、出願はUNU-IASのonline application website(英語)から可能です。本プログラムの詳細は、こちらをご覧ください。ご質問等は、お問合せ窓口までお願いします。

 

<プログラムについて>

 本プログラムは、国連機関やその他の国際機関、政府関係機関、国際NGOや民間企業等における国際的なキャリアを目指す新卒者、社会人、実務者を対象としており、持続可能な未来の実現に向け、特にサステイナビリティに関する世界的な取組の最前線で活躍できる人材の育成を目指しています。

 学生は、国連の枠組下にある国際的な大学で学ぶという、またとない機会を得ることができる他、UNU-IASの政策研究プロジェクトに積極的に関わることで、学術的知識に加え、実践的な研究能力を身につけることができます。

 

 多くの方のご応募をお待ちしております。またお知り合いにも是非ご案内ください。

 



5.ケーススタディ紹介:エクアドルの文化的景観に関する研究(米ジョージア大学)


 米国ジョージア大学地理学部新熱帯山岳学共同実験室では、北エクアドルのインバブーラ州ウタワル渓谷の地域住民によって維持されてきた文化的景観の質に関する研究を行っています。

エクアドル西部の重要な保護地域においては、伝統的な農業景観を保護するため、生物多様性と文化的多様性の両面からなる保全努力が必要とされており、研究者らは、現地における社会生態学的生産ランドスケープの異なる特性が、アンデス文化や文化的生態学的サービスを(再)評価する新しい保全の波を起こすことにつながると考えています。ユネスコは同地域のインバクチャ流域を神聖な地域として認識しており、流域の際立った地質学・形態学的特徴やアドベンチャー・ツーリズム、民族ツーリズムの需要増加のため、地域コミュニティ内からはジオパークとして登録を目指す動きも出ています。

本論文では、欧州型の慣行と土着の伝統が融合し、エクアドルの独特な魅力を生み出している山岳風景の保全と持続可能な開発のジレンマについて論じています。

 本ケーススタディはSATOYAMAイニシアティブ主題レビュー(SITR)第5巻に掲載されたもので、詳細は、こちら(英文)をご覧ください。

 

 

 なお、本ニュースレターで共有を希望されるイベント等の情報がございましたら、IPSI事務局までご連絡ください。また、日本語の記事をお送りいただければ日本語版ニュースレターに掲載致します。皆様からの情報提供をお待ちしております。


 

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SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)事務局

国際連合大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)

東京都渋谷区神宮前5-53-70

電話:03-5467-1212(代表)

E-mail: isi@unu.edu

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