IPSIニュースレター2019年6月号(日本語版)【新規IPSIメンバー、IPSIケーススタディ・ワークショップ、他】
皆様いかがお過ごしでしょうか。2019年6月号のIPSIニュースレターをお届けします。概要のみ日本語でご紹介しておりますので、詳細は本文をご覧ください。
1.新規IPSIメンバー(13団体)
2019年5月に行われたIPSI運営委員会会合において、新たに13団体の加入が承認され、IPSIメンバーの数は253団体となりました。新規メンバーは下記の通りです。
• ASEAN・グリーンジャスティス・ネットワーク (AGREEN)(NGO/市民社会団体、ミャンマー)
• グロスターシャー大学・田園コミュニティ研究所 (CCRI)(大学教育/研究所、英国)
• E海外教育センター(企業、韓国)
• イフガオ州立大学(大学教育/研究所、フィリピン)
• 国立雲林科技大学(YunTech)(大学教育/研究所、台湾)
• ポリスプラン(企業、オーストラリア)
• Sotz’il協会 (先住民、コミュニティ団体、グアテマラ)
• 財団法人 国際合作発展基金会(ICDF)(NGO/市民社会団体、台湾)
• フィリピン大学ロスバニョス校 森林・天然資源カレッジ 社会林業・森林管理学科(大学教育/研究所、フィリピン)
• バリパラ トラスト・フロンティア財団(NGO/市民社会団体、インド)
• 法律・環境・開発・ガバナンス フォーラム (FLEDGE)(NGO/市民社会団体、インド)
• ジャワハルラール・ネルー大学 環境科学部(大学教育/研究所、インド)
• ノイマルクト・ランドケア協会(NGO/市民社会団体、ドイツ)
2.IPSIケーススタディ・ワークショップ(東京)
IPSI事務局および公益財団法人 地球環境戦略研究機関(IGES)は、2019年5月28日~30日、「Satoyama Initiative Thematic Review vol.5 (SATOYAMAイニシアティブ主題レビュー第5巻)」の出版に向けたプロセスの一環として、IPSIケーススタディ・ワークショップを東京の国連大学本部にて開催しました。今年のワークショップのテーマは「社会生態学的生産ランドスケープ・シースケープ(SEPLS)における持続可能な利用に関する多様な価値観の理解(Understanding the multiple values associated with sustainable use in Socio-Ecological Production Landscapes and Seascapes (SEPLS)」です。また、本ワークショップ及び主題レビューでの事例から得られた知識・知見を、生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES)が実施中の「生物多様性及び生態系サービスを含む、自然とその恵みに関する多様な価値観の概念化に関する方法論的評価」に提供することを目指しています。
本ワークショップで発表された11件の事例と、全体の総括を掲載したSATOYAMAイニシアティブ主題レビュー第5巻は、今年の後半に出版予定です。
本ワークショップについての詳細は、こちら(英語)からご覧いただけます。
3.新刊のお知らせ:「Asia-Pacific Landscape Transformations: Solutions for Sustainability」
IPSIメンバーの公益財団法人 地球環境戦略研究機関(IGES)は、「Asia-Pacific Landscape Transformations: Solutions for Sustainability」と題した報告書を発刊しました。アジアのSEPLS関連の情報が豊富に掲載されているので、ぜひご一読ください。
本書の詳細は地球環境戦略研究機関(IGES)のウェブサイト(英語)からご覧ください。
4.新IPSIメンバー紹介: ASEAN・グリーンジャスティス・ネットワーク(AGREEN)
ASEAN・グリーンジャスティス・ネットワーク(AGREEN)は、ASEAN(東南アジア諸国連合)地域および先住民のコミュニティ(LICs)と協力して活動している団体です。LICsは、気候変動や天然資源の不適切な管理によって引き起こされる森林伐採や土地・文化の衰退といった深刻な問題に直面しています。
AGREENは、LICsにおいて適切な資源管理に関する伝統的知識やノウハウを共有し、社会生態システムの保全と回復に貢献しています。
本団体の詳細は、こちら(英語)よりご覧いただけます。
5.ケーススタディ紹介:バイオバーシティ・インターナショナル
IPSIメンバーであるバイオバーシティ・インターナショナルは、「Perceptions of resilience, collective action and natural resources management in socio-ecological production landscapes in East Africa」と題したケーススタディを提出しました。
社会生態学的生産ランドスープ(SEPLs)および生態系サービスは、適切に管理されれば、地域社会の幸福度の向上だけでなく、環境保全の国際目標や国レベルでの開発目標・政策の達成に寄与することが可能です。しかし、世界にあるSEPLsの多くは、適切な土地管理の実施において非協力な政策や政府機関、地域コミュニティ内での協力関係の欠如により非常に不安定な状態にあります。
本件では、東アフリカにある2つのコミュニティを対象としたネットワーク分析を実施しました。その結果、農民間のコミュニケーションはほとんどなく、農民と利害関係者間での協力関係もかなり限定的であることが分かりました。また、農民は天然資源の保全と利用に関する情報や政府が提供している資源管理に関するプログラムの存在をほとんど知らないことが明らかになりました。さらに、情報共有と議論の場を提供することで、コミュニティにおける知識共有、協力関係を促し、地域における積極的な取り組みへと繋がることが示されています。
本ケーススタディの詳細はこちら(英語)をご覧いただけます。
なお、本ニュースレターで共有を希望されるイベント等の情報がございましたら、IPSI事務局までご連絡ください。また、記事は日本語版ニュースレターのみの掲載も可能です。皆様からの情報提供をお待ちしております。
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SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)事務局
国際連合大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)
東京都渋谷区神宮前5-53-70
電話:03-5467-1212(代表)
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