IPSI メールマガジン, 2014年8月号
厳しい暑さが続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。2014年8月号のIPSIニュースレターをお届けします。概要のみ日本語でご紹介しておりますので、詳細は本文をご覧ください。
———————————————- 概 要 —————————————————
1. ISAP 2014 パラレルセッション「生物多様性の持続可能な利用に向けた コミュニティー参画」
国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)および公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)は、第6回持続可能なアジア太平洋に関する 国際フォーラム(ISAP2014)において、「生物多様性の持続可能な利用に向けたコミュニティー参画」に関するパラレルセッションを開催しました。
本セッションでは、はじめに、国連大学の武内和彦上級副学長により「地域からのレジリエントな社会の構築」というテーマで基調講演が行われました。また、 ゲストスピーカーとして株式会社福島屋の福島徹代表取締役会長にご登壇いただき、持続可能な生産と消費をつなぐ企業の役割や福島屋の地域に根ざしたビジネス モデルについてお話いただきました。
続いて行われたパネルセッションでは、ガーナ共和国国家生物多様性委員会議長のアルフレッド・オテン・イェボア教授がファシリテータをつとめ 、3名から事例報告がありました。台湾国立東華大学のクアンチュン・リー准教授は、台湾の生産ランドスケープの課題と取り組みについて、国連大学サステイナビ リティ高等研究所の市川研究員は、SEPLSのレジリエンスに関するインディケーターについて、モンゴル環境と開発協会(JASIL)のウハンバイ・ヒヤバ氏 は、モンゴルの草原地帯における同インディケータの適用結果について、それぞれ報告を行いました。
各パネリストからの発表後、IPSI事務局により制作された最新のビデオ作品が上映されました。このビデオは、東日本大震災と津波により壊滅的な打撃を受けた宮城県塩 釜市の浦戸諸島の人々が様々な関係者の協力によりSATOYAMAのコンセプトを活かした復興に取り組んでいる様子を紹介したものです。本作品は雑誌ソトコトなどを発行している木楽舎の協力を得 て映像化され、IPSIメンバーである「インクカートリッジ里帰りプロジェクト」の支援を受けて作成されました。
上映後、会場からの質問に答える形でパネルディスカッションが実施されました。
本セッションの詳細(要約とプレゼンテーション資料)や、ISAP2014の他のセッションについてはこちらからご覧いただけます。http://www.iges.or.jp/isap/2014/jp/prog_detail.html
2. IPSI ケーススタディーに関する専門家ワークショップ
2014年7月22日-23日にIPSI事務局と地球環境戦略研究機関(IGES)は、IPSIケーススタディーに関する専門家ワークショップをパシフィコ横浜(横浜市)において開催しました。
これまでにIPSIには、メンバーから約70のケーススタディーが寄せられています(詳細はこちら)。
本ワークショップでは、こうしたケースから知恵や教訓を抽出し、社会生態学的生産ランドスケープにおける取組に幅広く役立てるための方法などについて議論が行われました。
ワークショップは、アルフレッド・オテン・イェボア教授(ガーナ共和国生物多様性委員会議長)と渡辺陽子氏(地球環境ファシリティ・生物多様性上級専門家)が共同議長をつとめ、下記の参加者からの事例発表が行われました。
<事例発表者リスト>
• Professor Inocencio Buot, Jr. of the University of the Philippines Open University (UPOU)
• Ms. Florence Daguitan of the Indigenous Peoples’ International Centre for Policy Research and Education (TEBTEBBA)
• Dr. Maurizio Farhan Ferrari of the Forest Peoples Programme (FPP)
• Dr. Ykhandai Hijaba of the Environmental and Development Association “JASIL”
• Dr. Pia Kieninger of the University of Natural Resources and Life Sciences, Vienna (BOKU)
• Dr. Kuang-Chung Lee of National Dong-Hwa University, Taiwan
• Professor Machito Mihara of the Institute of Environment Rehabilitation and conservation (ERECON)
• Dr. Yoji Natori of Conservation International
• Dr. William Olupot of Nature and Livelihoods
その後、参加者が2グループに分かれ、活発な議論を展開しました。
2日間のワークショップは、IPSIが知識共有のためのプラットフォームとして、今後さらに発展していくためにも有益なものとなりました。
IPSI事務局ではメンバーからのケーススタディーを募集しています。ケーススタディーの応募に関してのお問い合わせはIPSI事務局までどうぞ。
3. IPSI第5回定例会合に関する最新情報
IPSI事務局では、2014年10月に韓国の平昌で開催される生物多様性条約(CBD)第12回締約国会議(CBD COP12)にあわせ、SATOYAMA イニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)第5回定例会合(IPSI-5)を開催するための準備を進めています。
IPSI-5では、総会と公開フォーラムを開催する予定です。
総会は10月4日(土)の午後に開催されます。IPSIメンバーの方は是非ご参加をご検討ください。公開フォーラムは10月5日(日)の午前中に開催されます。公開フォーラムはIPSIメンバー以外の方もご参加いただけます。
IPSIメンバーの方々には、これらの会合への登録に関するご案内をさせていただきましたが、もしご案内が届いていない場合はIPSI事務局までお知らせください。なお、これらのIPSI-5会合に参加するにはCBD COP12へのご登録が必要ですのでご注意ください。
4. UNEP-GEFプロジェクト「キューバにおける生態系のレジリエンスと農業生物多様性」
2014年7月7日-9日にハバナで、UNEP-GEFプロジェクト「キューバにおける生態系のレジリエンスと農業生物多様性」の第二回運営委員会が開催されました。
5.ネイチャー・コンサーバンシーから新しいガイドブックが発行されました
IPSIメンバーのネイチャー・コンサーバンシーがこのたび「持続可能なランドスケーププログラムの効果を強化する実践者のためのガイドブック」を発行しました。
6. 新規ケーススタディ:サイプレスにおけるSEPLSとしてのバッファーゾーンについて
IPSIメンバーであるサイプレス大学から、「サイプレスにおけるSEPLSとしてのバッファーゾーンについて」という題名で新しいケーススタディーが提出されました。