IPSIニュースレター2021年3月号

2021.03.26

IPSIニュースレター20213月号(日本語版)【GEF-SATOYAMAプロジェクトに関する記事紹介、他】
 
 桜花の候、皆様いかがお過ごしでしょうか。新型コロナウィルス感染症の収束が未だ見えない中、IPSI事務局は在宅勤務を続けてはいるものの、「自然と調和する社会」に向けたランドスケープ・シースケープ・アプローチに関連する様々なプロジェクトや活動に積極的に取り組んでいます。皆様も引き続き健康と安全に留意してお過ごしください。

 さて、2021年3月号のIPSIニュースレターをお届けします。日本語では概要のみご紹介しておりますので、詳細は本文をご覧ください。

1.GEF-SATOYAMAプロジェクトに関する記事紹介

 IPSI協力活動の1つであるGEF-SATOYAMAプロジェクトの成果を含んだ記事「Enhancing synergies in nature’s contributions to people in socio‑ecological production landscapes and seascapes」が、学術雑誌Sustainability Scienceに掲載されました。本記事は、有機農業、エコラベル表示、ブランディングそして農業慣行の改善といった、食料生産に主眼を置いたアプローチと、参加型の生物多様性モニタリング、生態系の回復、土地保有者との共同型管理や土地所有者との保全協定などといった、生息地に主眼を置いたアプローチとの間に生じるトレード・オフの扱いをはじめとする、自然の価値評価や「自然がもたらすもの(Nature’s contributions to people; NCP)」についての有益な情報を提供しています。

 本記事はこちら(英語)よりご覧頂けます。

2. 女性と気候変動に関するビデオ紹介

 IPSI事務局スタッフ、かつ国連大学のポスドクフェローであるヒマンガナ・グプタ博士は、「Women and Climate Change: Global Scenario and the Grassroot Reality」と題した映像を公開しました。気候変動や生物多様性の損失がいかに女性に不相応な悪影響を及ぼすかについて、特に焦点を当てています。

 本映像はこちら(英語)よりご覧頂けます。

3.SDM新ウェブサイト完成

 IPSI協力活動であるSATOYAMA保全支援メカニズム(SDM)は、コミュニケーションと情報共有の改善を目的として、プロジェクトのウェブサイトをリニューアルしました。新しいウェブサイトは、より優れた機能性とIPSIウェブサイトとの互換性を提供します。中でも特筆すべき点は、プロジェクトや組織の種類、グローバルターゲット等に応じて、実施されたSDMプロジェクトを容易に検索出来るようになったことです。SDM事務局は今後、コンテンツをさらに充実させ、情報共有の改善を進めてていく予定です。

 新ウェブサイトはこちらからご覧頂けます。なおSDMに関するお問い合わせは、SDM事務局(sdm@iges.or.jp)に直接お問合せください。

4. 【締切間近】UNU-IAS 2021年度大学院プログラムの入学願書受付

 先月のニュースレターに掲載したとおり、UNU-IASは、2021年度大学院 博士課程サステイナビリティ学の入学願書を受付中です。プログラムは2021年9月に開始し、講義はすべて英語で行われます。応募締め切りは2021年4月9日です。

 本プログラムの詳細や出願方法は、こちらをご覧ください。

5.国連生態系回復の10年に関する調査

 現在、国連環境計画(UNEP)国連食糧農業機関(FAO)が、「国連生態系回復の10年」に関する調査を実施しています。本調査は、既存の能力の基準値を定めること、国際的な再生の目標達成に向けた強み、ギャップ、ニーズそして障壁を特定すること、「国連生態系回復の10年」のシステム全体における能力開発の取組を導くことを目的としています。

 2021年から2030年の10年間は「国連生態系回復の10年」に定められています。ランドスケープアプローチは、生物多様性や開発だけではなく、生態系の再生にも大きな関連性があると考えられるため、IPSIメンバーは、積極的にご参加ください。

 本調査には、こちら(英語)から参加いただけます。

6.ケーススタディ紹介:セーブ・アシード・フォー・ザ・フューチャー(SAFE)

 今月は、IPSIメンバーであるウガンダの、セーブ・アシード・フォー・ザ・フューチャー(SAFE)のケーススタディ「Direct use values and nutritional potential of selected wild edible plants from Teso-Karamoja Region, Uganda」をご紹介します。本ケーススタディは、SATOYAMAイニシアティブ主題レビュー第五巻にも掲載されています。

 野生の食用植物の使用は、生物多様性の損失により着実に制限されています。本研究では、ウガンダのテソ・カラモジャ地域のランドスケープにおける、野生の食用植物種に関する自然の有用価値、野生の食用植物種の直接的な使用価値、そして選択した野生食用植物種の栄養的可能性の調査を行おうとしました。さらに、これらのランドスケープを維持することによる機会、課題、生物多様性上の利点の評価も行われました。テソ・カラモジャ地域には、人間の健康を増進する可能性のある非常に多様な野生の食用植物種が存在します。このことは、この地域のランドスケープを維持することによる生物多様性上の恩恵が、人々に多様な機会をもたらし得ることを意味します。しかしながら、人為的活動による景観の悪化は、克服すべき課題のひとつであり、こうしたランドスケープへの影響の定期的な評価・モニタリング手法の導入が不可欠です。

 本ケーススタディの詳細はこちら(英語)をご覧ください。

 本ニュースレターで共有を希望されるイベント等の情報がございましたら、IPSI事務局までご連絡ください。また、日本語の記事をお送りいただければ日本語版ニュースレターに掲載いたします。皆様からの情報提供をお待ちしております。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)事務局
国際連合大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)

東京都渋谷区神宮前5-53-70
電話:03-5467-1212(代表)
E-mail: isi@unu.edu

連絡先やメールアドレスに変更があった場合は、事務局までお知らせください。
□当ニュースレターの配信登録はこちら

*SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)は、日本国環境省の支援により運営されています。