2023年12月12日、第1回SATOYAMAフォーラムが国連大学本部ビルにて開催されました。本イベントでは、IPSIのメンバーであるイオン環境財団と日本の大学との協働からが生まれた里山に関する革新的な解決策を紹介しました。
国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)の三宅里奈プログラム・コーディネーターは、IPSIの取り組みについて共有しました。里山は、人々が何世代にもわたって自然と共存してきた日本の伝統的な農村景観です。里山では農業、林業および漁業においても持続可能な習慣が根付いており、人間活動と環境との調和が取れています。三宅プログラム・コーディネーターは、社会生態学的ランドスケープ・シースケープ(SEPLS)と呼ばれる生物多様性と自然資源の持続可能な利用を両立させる地域での取り組みをIPSIが推進していることを説明しました。
イオン環境財団岡田元也理事長は、財団が行っている環境保護に関する幅広い取り組みを紹介し、過去33年間で1,200万本以上の植樹を行っていることを共有しました。 また環境省白石隆夫自然環境局長は、生物多様性の保全と持続可能な利用を目指し生物多様性条約(CBD)加盟国が採択した「昆明・モントリオール生物多様性枠組(KMGBF)」がSATOYAMAイニシアティブのコンセプトの根底にあることを強調しました。
続いてUNU-IAS山口しのぶ所長は、人間の健康と自然環境は相互に連関していることを述べた上で、本フォーラムでの議論が様々な機関が更なる協働を進める契機となることへの期待を表しました。地球環境戦略研究機関(IGES)武内和彦理事長は、SATOYAMAイニシアティブが実践している統合的なアプローチが、持続可能な開発目標(SDGs)、気候変動緩和と適応および循環型経済へ貢献していることを共有しました。
またフォーラムで実施された2つのパネルディスカッションでは、旧東北大学雨宮キャンパスにおける植樹など日本における里山の取り組みに関する見識が共有されました。パネリストは、 自然環境の保全、防災、コミュニティの醸成、教育の充実およびイノベーションの促進など、里山の多面的な重要性を強調しました。
本フォーラムはイオン環境財団の主催、環境省、UNU-IASおよびIPSIの後援にて実施されました。