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持続可能なランドスケープ管理についてのレジリエンス指標ワークショップ

2024.07.23

2024年7月11日、UNUIASUNDPが実施する地球環境ファシリティ小規模無償プログラム(GEF
SGP)
とともに、社会生態学的生産ランドスケープ・シースケープ(SEPLS)におけるレジリエンス指標に関するツールキット:2024年度版の利用についてのオンラインワークショップを開催しました。このツールキットは地域社会がその社会生態学的レジリエンスを評価し持続可能なランドスケープ管理のための戦略策定を支援するために作成されました。

本ワークショップでは、参加各国のGEF SGP実施管理担当チームに対し、基礎評価の実施と、SATOYAMAイニシアティブ推進プログラム(COMDEKS)の最新の第4フェーズにおけるランドスケープ・シースケープ戦略策定のための実践的ガイダンスが提供されました。

COMDEKSプログラムはGEF SGPを通じて地域社会や団体に小規模融資を行い、社会生態学的生産ランドスケープ・シースケープの維持、再建を支援しています。

Rissa Edoo氏(UNDP GEF SGP、パートナーシップスペシャリスト)はレジリエンス指標について、COMDEKSの過去のフェーズにおいて利用されていた重要な実践的ツールであると強調しました。この指標はCOMDEKSプログラムが行われているランドスケープ・シースケープでのステークホルダー、地域社会、市民団体間の対話を促進しました。本指標は、当該ランドスケープ・シースケープがどのように持続可能に管理可能かについて、関係者が各自の考えを述べることを促す参加型ツールの役割を果たしました

最初の指標は、SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)協力活動として2012年に策定されました。このパートナーシップの事務局はUNUIAS、アライアンスバイオバーシティインターナショナル(the Alliance Bioversity International and CIAT)によりホストされています。

Suneetha Subramanian氏(UNUIAS、リサーチフェロー)は指標の改定においては用語の簡素化及び生物多様性の多面的分野における進展に整合させたものであると説明しました。この最新版の改定プロセスには本指標を利用した多彩な経験を持つCOMDEKSプロジェクトおよびIPSIメンバーからのインプットが含まれており、よりユーザーフレンドリーで、地域社会の意見を惹起するものとなっています。

George Ortsin氏(GEF SGP Ghana、前SGPナショナルコーディネーター)はガーナのAfadzato
South
ランドスケープでレジリエンス指標を利用した自身の経験を共有しました。この多様なランドスケープは森林、草原、湿地、山、サルの保護地域を抱えていますが、居住地の破壊や植生の減少による洪水、気温上昇、地滑り等の課題に直面しています。経済的レジリエンスを高め、生物多様性の損失に取り組むため、地域社会は認定オーガニック生産、気候変動に対応したクライメート・スマートなカシューナッツ・落花生生産、水産養殖と水耕栽培を組み合わせた統合的アクアポニックス農業、インタークロッピング(複数作物を同一圃場で同時に栽培する農法)、エコ認証された炭を利用した契約農業等の持続可能な生産活動に取り組みました。

本トレーニングセッションにおいて、参加者は持続可能なランドスケープ管理への包括的アプローチを実際に行い、対話型演習を通して指標への理解を深めました。この演習では参加者が女性グループ、地方政府、NGO、企業等の様々なステークホルダーの役を務めて基礎評価を行うことで、指標についての議論をシミュレートしました。