SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)事務局(国連大学サステイナビリティ高等研究所)は、環境省、熊本県、生物多様性条約事務局との共催で「SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ第8回定例会合(IPSI-8)」及び「生物多様性のポスト2020目標に向けたランドスケープアプローチに関するテーマ別専門家ワークショップ」を2019年9月2日から9月6日まで熊本県熊本市にて開催しました。
9月3日(火)に開催されたIPSI総会(参加対象者:IPSIメンバー)では、IPSIの今後の運営・活動の方向性について情報共有及び意思決定を行いました。
また9月3日(火)から9月5日(木)の間、開催された「生物多様性のポスト2020目標に向けたランドスケープアプローチに関するテーマ別専門家ワークショップ」では、開会に際し、国連大学サステイナビリティ高等研究所の武内和彦上級客員教授、環境省の城内実環境副大臣等からの挨拶の後、鹿児島大学南九州・南西諸島域共創機構産学・地域共創センターの星野一昭特任教授、及びガーナ生物多様性委員会議長のアルフレッド・オテング・イエボア教授が共同議長として選出され、挨拶しました。
生物多様性のポスト2020目標の検討枠組みやランドスケープアプローチに関するプレゼンテーションの後、参加者はテーマ別のストリームに分かれグループで討議しました。これらの議論の成果は会議後、提言としてとりまとめられます。
さらに合同イベントとして、2019年9月4日(水)に「生物多様性保全に向けた社会生態学的生産ランドスケープ~里山・里海」と題して、公開フォーラムを開催しました。
会議のはじめに国連大学サステイナビリティ高等研究所の竹本和彦所長、環境省自然環境局の鳥居敏男局長、熊本県の小野泰輔副知事が挨拶を述べました。その後、国連大学サステイナビリティ高等研究所の武内和彦上級客員教授、及び生物多様性条約事務局のカリダッド・カナレス・ダビラ農業・生物多様性及び内陸水担当官が基調講演を行いました。
パネルセッションでは、国内外の専門家が、生物多様性保全政策やランドスケープアプローチに関して話し合いました。インドなどの海外の事例や、熊本県内の里山里海、阿蘇地域の世界農業遺産(GIAHS)など国内外の地域の取組みを共有するとともに、2020年以降の世界の生物多様性の枠組みのあり方や農業分野における生物多様性政策推進にあたっての課題などについて議論しました。
9月6日(金)には熊本県主催のエクスカーションが実施され、阿蘇や水俣、山賀などの里山・里海の景観を満喫するとともに地域の取組みを見学しました。
IPSI8は、UNU-IASの国際SATOYAMAイニシアティブの活動の一環として開催しました。SATOYAMAイニシアティブは、「社会生態学的生産ランドスケープ・シースケープ(SEPLS)」の維持と再生を通じて、生物多様性と人間の福利に寄与することにより、自然と共生する社会の実現を目指す世界的な取り組みです。