CBD

生物多様性国家戦略及び行動計画の優良事例を共有

2024.02.09

2024年1月23〜26日「南・東アジア地域生物多様性国家戦略及び行動計画(NBSAP)ダイアローグ」が開催されました。本イベントでは専門家と政府代表が一堂に会し、NBSAPの改定における共通の課題と機会について議論しました。生物多様性条約事務局(SCBD)が主催、IPSI事務局を務める国連大学サステナビリティ高等研究所(UNU-IAS)と環境省が共催しました。

SCBDデビッド・クーパー事務局長代理はビデオメッセージにて、自然との共生に向けた野心的なアジェンダである昆明・モントリオール生物多様性枠組(GBF)を紹介しました。またこの野心的な目標を、実行可能な計画に変換することが急務であると指摘しました。さらにこのダイアローグは、各国がNBSAPをさらに発展させる上で経験と優良事例を共有する機会であると強調しました。

環境省白石隆夫自然保護局長はNBSAPがGBFの実施に不可欠であることを強調し、アジア太平洋地域には資源の持続可能な利用と生物多様性保全の長い歴史があることを紹介しました。UNU-IAS山口しのぶ所長は、UNU-IASが事務局を務めるIPSIについて紹介しました。また、IPSIが推進するランドスケープ・アプローチをNBSAPに取り込むことで、高い効果が期待できると強調しました。

UNU-IASはダイアローグの一環として、社会生態学的生産ランドスケープ・シースケープ(SEPLS)の再生と持続可能な管理など世界各地のIPSIの活動に焦点を当てた特別イベントを開催しました。UNU-IAS 三宅里奈プログラム・コーディネーターはSATOYAMAイニシアティブ主題レビュー (SITR)を含むIPSIの研究や政策貢献について発表しました。地球環境戦略研究機関(IGES)アンドレ・マダー生物多様性・森林プログラムディレクターはUNU-IAS と IGES が最近作成した『Using Landscape Approaches in National Biodiversity Strategy and Action Planning』を共有しました。またランドスケープ・アプローチは、人間と自然の相互作用の複雑さを踏まえ陸と海の生態系を管理する包括的で統合的な方法であると紹介しました。

また参加者は、自国における生物多様性計画の実施とランドスケープ・アプローチの関連性について意見交換を行いました。ディスカッションではユースの意味のある参画、NBSAPにランドスケープ・アプローチを統合するためにセクターを超え政策の一貫性を高めていく重要性を強調しました。

背景

本イベントは2023年と2024年にCBD事務局が開催する一連のダイアローグの一環です。GBFに沿った国家目標を含むNBSAPの改定のための経験を共有し、相互学習を促進することを目的としています。