IPSI事務局を務める国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)は、「SATOYAMAイニシアティブ主題レビュー(SITR)」第8巻を刊行し、生態系の損失や劣化を防ぎ、回復を進めるための方策について知見を提供しています。本書では、生産活動を行いながら生物多様性を維持し、地元住民の生活とウェルビーイングも支えている地域を紹介しています。
「社会生態学的生産ランドスケープとシースケープ(SEPLS)の管理による生態系の回復(英題:Ecosystem Restoration through Managing Socio-Ecological Production Landscapes and Seascapes (SEPLS)」 と題した本書は、世界各地のIPSIメンバーによる12のケーススタディを取り上げています。これらは、実践的な活動から得られたものであり、特にSDG 15 (陸上の豊かさも守ろう)とSDG 17 (パートナーシップで目標を達成しよう) に焦点を当てており、持続可能な開発に従事する学者、政策立案者、専門家に向けて実践的な活動から得られた情報をまとめています。
共同編集者の西麻衣子(UNU-IASリサーチフェロー)は、「本書は、国連生態系回復の10年における取り組みを推進させるものです。SEPLS管理の事例から学ぶことで、生態系回復に成功したアプローチの特定、共有、スケールアップを促進することができます。」と述べています。