IPSI事務局を務めるUNU-IASから新たなポリシー・ブリーフ(英題: Landscape Approaches to Ecosystem Restoration: Lessons Learned from Managing Socio-Ecological Production Landscapes & Seascapes)が発表されました。本ブリーフでは、公正で包括的かつ持続可能なランドスケープとシースケープの管理を通じて、生態系の回復を促進するための提言を行っています。生態学的、社会経済的、文化的な側面を考慮し、マルチステークホルダーが参画することで、生態系回復のための政策と実践の統合に関する戦略を提示しています。
本ブリーフは、UNU-IASがIPSIを通じて実施した調査を基に執筆されました。著者は、IPSI事務局を担うUNU-IASのリサーチフェローである西麻衣子およびスニータ・スブラマニアンです。
概要
ランドスケープアプローチは、先住民や地域の知識を活用し、ステークホルダー間で状況に応じた協力を強化することによって、人と自然の利益のための生態系回復を効果的に促進する方法です。生態系の回復にランドスケープアプローチを適用するプロセスでは、多国間、反復的かつ包括的であるべきです。異なるセクターやレベルのステークホルダーと対話や意見交換をしながら進める必要があります。
提言
- 長期的に生態系の回復に取り組む上で、地域における資源を特定し、活用するために、まずランドスケープまたはシースケープの規模から開始する。
- 生態系の回復と持続可能な開発の観点が合わさった統合的な解決策を生み出し、その解決策の影響力を拡大させるため、相互学習や知識の共有を促進する。
- 人と自然のかかわりに体系的な変化をもたらすために、地域における生態系の回復活動を一貫した政策や枠組みの一部として制度化する。