本研究について

IPSI事務局は、協力活動の一環として、生物多様性条約に基づき各締約国が策定する「生物多様性国家戦略及び行動計画 (National Biodiversity Strategies and Action Plans :NBSAPs)」 のランドスケープアプローチに関する研究を2016年から行っています。本研究プロジェクトは、生物多様性条約におけるランドスケープアプローチの再概念化と、NBSAPsの策定および実施における同アプローチの適用性に関する分析と検証を目的に、IPSI事務局のUNU-IASとIPSIメンバーである東京大学未未来ビジョン研究センター (UT-IFI) 、生物多様性条約事務局、日本国環境省が共同で実施しています。 研究過程や関連資料の詳細については、以下をご参照ください。

研究の背景

NBSAPsは生物多様性条約を実施する上で主要な手段であり、各締約国は、条約の目的達成に向けて、国の意思決定に生物多様性への配慮を組み込み、各分野にわたる問題を主流化するためのロードマップを提示することになっています。これまでのNBSAPの策定プロセスを通じて、多くの締約国がNBSAPの強化と説明責任の向上の必要性を表明しており、本研究プロジェクトは、生物多様性条約の実施を支援する試みとして、生産ランドスケープ・シースケープを管理するための統合的アプローチ、とりわけIPSIが推進するSEPLSの概念が、NBSAPの策定と実施にいかに効果的であるか明らかにすることを目指しています。

第一フェーズ

2016~2017年度に実施された本研究の第一段階である「自然共生社会の実現に向けた生物多様性国家戦略及び行動計画 (NBSAPs) の策定と実施に係る研究」では、各国のNBSAPsにランドスケープアプローチがどの程度組み込まれているか、また、ランドスケープアプローチがどのように実施され愛知目標の達成に貢献しているかを評価するため、文献レビューや各国のNBSAPs及び国内報告書の分析、国際ワークショップなどが行われました。 2018年1月に開催された国際ワークショップ「生産ランドスケープにおける生物多様性の主流化:統合的アプローチによる生物多様性国家戦略及び行動計画 (NBSAPs) の策定と実施」では、参加した国々が、ランドスケープアプローチをNBSAPの策定と実施に生かす上での優良事例と課題を共有しました。 ワークショップの報告書と第一フェーズの研究報告書は、ページ下「参考資料」をご覧ください。

第二フェーズ

第一フェーズの結果を受けて、2018~2019年度に実施された第二フェーズでは、生物多様性の保全と持続可能な利用のためのランドスケープアプローチについて、締約国が一層の理解を深め、同アプローチをNBSAPの策定と実施に組み込むための支援を目的に、「生物多様性国家戦略及び行動計画 (NBSAPs) への生産ランドスケープ・シースケープにおける統合的アプローチの主流化に関する研究」と題したIPSI協力活動が行われました。本研究では、ウェブ調査や第2回国際ワークショップが実施された他、NBSAP策定におけるランドスケープアプローチの適用に関する政策立案者向けのマニュアル草案の作成や政策ブリーフの発表も行われました。 国際ワークショップ「生物多様性国家戦略及び行動計画 (NBSAPs) における生産ランドスケープ・シースケープにおける統合的アプローチの実施」は、マニュアル作成のための知見とポスト2020生物多様性枠組みに関する議論の洞察を深めるために、NBSAPsへの統合的アプローチの適用で得られた経験と教訓の共有を目的に実施されました。