2022年3月18日、国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)は、スイスのジュネーブでの2022年生物多様性条約(CBD)会議にて、ランドスケープ・アプローチを生物多様性国家戦略および行動計画(NBSAPs)に統合することに焦点を当てたサイドイベントを共催しました。
議論の中で、中澤圭一氏(日本環境省・生物多様性戦略推進室室長)は、現在日本がNBSAPを改訂中であることを発表しました。新戦略では、健全な生態系の確保、生態系サービスを維持および強化、持続可能な社会経済活動を促進するための統合的アプローチの重要性が強調されます。
UNU-IASのスニータ・サブラマニアン研究員は、CBD事務局(SCBD)の協力を受けて、UNU-IASと地球環境戦略研究機関(IGES)が策定中の新しいNBSAPsマニュアルの概要を発表しました。このマニュアルは、NBSAPsにランドスケープ・アプローチを統合するにあたって政策立案者を支援するツールとなります。本サイドイベントでは、このマニュアルがCBD締約国や他の機関のニーズを確実に満たすよう、意見や提案を集めました。
イザベラ・ヘルナンデス氏(ドミニカ共和国代表)とテレンス・ヘイ・エディ氏(国連開発計画(UNDP))は、GEF小規模助成プログラムが、国が地方レベルでランドスケープ・アプローチを適用し、かつ地域および国の政策に統合することを支援した、長年のイニシアティブであることを強調しました。
ジェシカ・カルバハル氏(コロンビア代表)は、国の再生政策によって可能になった、コロンビアのマングローブ林再生の成功事例を共有しました。
登壇者たちは、ランドスケープ・アプローチを取り入れたNBSAPsの策定には、科学者や学者を含む様々な利害関係者が関与する必要があることに賛意を示しました。また、オランダ環境評価庁(PBL)のマーセル・コック氏は、ランドスケープ計画の策定が国家計画のための省庁間の協力を促進するメカニズムとなり得る、と述べました。
本イベントは、第3回条約実施補助機関会合(SBI-3)と並行し、IGES、UNDP、および日本環境省と協力して開催されました。