はじめに

「社会生態学的生産ランドスケープ・シースケープ(SEPLS)におけるレジリエンス指標」は、地域コミュニティが自分たちの生活と密接に関係しているランドスケープやシースケープを順応的に管理できるよう、IPSIの協働活動を通じて開発されました。20の指標は、SEPLSのレジリエンスに不可欠な社会生態学的プロセスに関して、住民主体のワークショップにおける議論と分析の枠組みを提供しています。
指標の活用方法などをまとめた「ツールキット(手引き)」の詳細は、以下をご参照ください。

指標について

本指標は、SEPLSのレジリエンス(回復力)を強化する上で、地域コミュニティがランドスケープ・シースケープの状態や変化をより包摂的に理解する必要があるとの理解から、UNU-IASとバイオダイバーシティインターナショナル(Biodiversity International)がIPSIの協力活動を通して開発しました。世界各地でフィールドテストを行ったのち、地球環境戦略研究機関(IGES)と国連開発計画(UNDP)も加わり、得られた知見をもとに指標を精緻化し、現在の指標が完成しました。
  • ツールキットについて

    本ツールキットは、レジリエンス指標を現地で活用してもらう実践的な手引きとして2014年に作成されました。指標の概念的背景や目的、利点の説明から20の指標と評価ワークショップでの活用方法の解説、過去の事例の提示まで、外部の専門家に頼らず各地域コミュニティが自ら評価ワークショップを開催できるよう策定されています。

指標の活用について

本ツールキットで提示されているアプローチは、地域コミュニティが主体のレジリエンス評価ワークショップを基本としており、地域住民と当該地域のステークホルダー(利害関係者)のレジリエンスに対する理解と、関係者間での活発なコミュニケーションを促します。ワークショップには、地域住民をはじめ、意見の公平性と多様性を確保するため、可能な限り様々なステークホルダーが参加し、通常、指標やワークショップの概要説明、対象地域のマッピング作業、指標に基づいた採点、採点結果に関するディスカッションが行われることが期待されます。ワークショップに関する詳細は、ツールキットをご覧ください。

参考資料(英語)

UNU-IAS政策レポート(2013)
「社会生態学的ランドスケープ(SEPLs)におけるレジリエンス指標」
国際連合開発計画(UNDP)(2018)
ランドスケープのレジリエンス評価:SATOYAMAイニシアティブ推進プログラム(COMDEKS)で得られた優良事例と教訓
Springer Nature「Science for Sustainable Societies」(2020)
「SATOYAMAイニシアティブによる「SEPLSにおけるレジリエンス指標」の活用から得られた教訓」

他言語によるツールキット

  • 英語:原版(概要版は、こちら
  • 中国語:訳 地球環境ファシリティ(GEF)小規模融資プログラム(Small Grants Programme: SGP)中国オフィス 
  • 韓国語:訳 大韓民国農村振興庁(Korean Rural Development Administration:RDA)
  • スペイン語(指標のみ):訳 GEF-Satoyamaプロジェクト

※翻訳はパートナー団体によるものであり、IPSI事務局は、その作成及び更新、並びに内容の正確性に責任を負うものではありません。

参考リンク(英語)

  • COMDEKSプログラム: 指標を活用し、世界20地域でSEPLSのレジリエンス評価と順応的管理を実践するUNDPのプログラム
  • GEF-Satoyamaプロジェクト:: 主要な生物多様性ホットスポットにおいて、ランドスケープ・シースケープの管理と知識創出のために、指標の活用をした取り組みを行うコンサベーション・インターナショナルのプロジェクト