2023年12月8日、IPSI事務局を務める国連大学サステナビリティ高等研究所(UNU-IAS)は、アラブ首長国連邦、ドバイで開催された国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(UNFCCC COP28)のレジリエンス・ハブにて、社会生態学的レジリエンスを構築、強化するための協調的行動に関するイベントを開催しました。社会生態学的レジリエンスに関する経験の共有や、解決策のブレインストーミングなど対話形式でセッションが進みました。
社会生態学的レジリエンスは、社会生態学システムの予期せぬ変化に対して、人間のウェルビーイングを保ちながら適応、変革する能力を意味します。本イベントでは工学、ビジネス、学術会、先住民および地域社会など様々な分野の専門家と、社会生態学レジリエンスを目指す上での協調のアプローチを探りました。
参加者は気候変動と生物多様性の喪失という相互に関連した課題対して、分野横断的な解決策を提案しました。そして、解決策をビジネス慣行やインフラ整備に取り入れることの重要性を強調しました。また、自然災害や気候変動の影響を緩和する上で重要な意味を持つ持続可能な土地や水の管理、生物多様性の保護について、関連する伝統的かつ土着の知識を保存することの重要性も強調されました。参加者はレジリエンスを強化する上での損失と損害基金の役割についても着目し、人権に基づくアプローチを元に本基金が運用され、インフラ、エネルギーおよび交通への戦略的投資が行われたならば、持続可能なレジリエンスの構築を促進させる大きな要因になるであろうと話しました。
本イベントは、UNU-IAS、国連大学地域統合比較研究所(UNU‒CRIS)、国連大学マーストリヒト技術革新・経済社会研究所(UNU‒MERIT)および持続可能なインフラのための国際連合(ICSI)によって主催されました。 スニータ・サブラマニアン(IPSI事務局・UNU-IASリサーチフェロー)、ニディ・ナガバトラ(UNU-CRISシニアリサーチフェロー)、岡本早苗氏(UNU-MERITリサーチフェロー)、サヴィナ・カルッチオ(ICSI事務局長)が司会を務めました。