IPSIニュースレター2019年8月号

2019.08.13

IPSIニュースレター2019年8月号(日本語版)【IPSI第8回定例会合(IPSI-8)およびポスト2020目標のテーマ別専門家ワークショップ 公開フォーラム、他】

 
 皆様いかがお過ごしでしょうか。2019年8月号のIPSIニュースレターをお届けします。概要のみ日本語でご紹介しておりますので、詳細は本文をご覧ください。

 

1.IPSI第8回定例会合(IPSI-8)およびポスト2020目標のテーマ別専門家ワークショップ 公開フォーラム

 2019年9月2日~6日、IPSI事務局として国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)は、生物多様性条約事務局および環境省、熊本県との共催により「SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ第8回定例会合(IPSI-8)」および「生物多様性のポスト2020年目標に向けたランドスケープアプローチに関するテーマ別専門家ワークショップ」を開催します。本会合についての詳細はこちら(英語)をご覧ください。

 また、9月4日に、両会合の合同イベントとして、一般の方々に向けた下記の公開フォーラム「生物多様性保全に向けた社会生態学的生産ランドスケープ~里山・里海~」をホテルメルパルク熊本にて開催します。本フォーラムは、皆様とともに、ランドスケープアプローチや生物多様性保全政策について話し合うことを目的としています。また、熊本県内の里山・里海や、阿蘇地域の世界重要農業遺産(GIHAS)など、地元の取組みも紹介します。

「生物多様性保全に向けた社会生態学的生産ランドスケープ~里山・里海~」
日時:2019年9月4日(水) 14:30-17:30
会場:熊本県熊本市 ホテルメルパルク熊本 4F「阿蘇」
主催:IPSI事務局(国連大学サステイナビリティ高等研究所)
共催:熊本県、環境省、生物多様性条約事務局
言語:日本語及び英語(同時通訳あり)

 本フォーラムは一般公開イベントです。参加をご希望される方はこちらよりお申込みください。
 

2.SATOYAMAイニシアティブに関する国際シンポジウム(台湾)

 2019年9月17日~19日、台湾花蓮県吉安郷の行政院農業委員会花蓮区農業改良場(HDARES)にて、国際シンポジウム「Implementing the Satoyama Initiative for the Benefit of Biodiversity and Human Well-being」が開催されます。本シンポジウムは、IPSIメンバーのアジア太平洋食糧肥料技術センター(FFTC)が、行政院農業委員会花蓮区農業改良場(HDARES)、行政院農業委員会林務局、台湾林業試験所、IPSI事務局との共催により開催します。

 このシンポジウムでは、農村コミュニティの環境改善や農村資源管理、経済的ニーズと環境保護の調和に向けた農村資源の活用法について、専門家による発表をもとに、概念や知識、経験を一般の方々と共有します。

 本会合に関する詳細はこちら(英語)よりご覧ください。

 

 

3.生物多様性国家戦略及び行動計画(NBSAPs)における統合的ランドスケープアプローチの適用に関するワークショップ

 2019年7月2526日、IPSI事務局のUNU-IASと東京大学未来ビジョン研究センター(UT-IFI)は、国際ワークショップ「生物多様性国家戦略及び行動計画(NBSAPs)における統合的ランドスケープアプローチの適用(Implementing integrated approaches in production landscapes and seascapes in National Biodiversity Strategies and Action Plans (NBSAPs)」を国連大学本部にて開催しました。

 本ワークショップでは、IPSIメンバーあるいはNBSAPs等で統合的ランドスケープアプローチを取り入れている生物多様性条約締約国のボスニア・ヘルツェゴビナ、カンボジア、ドミニカ共和国、エジプト、フランス、ギニア、スリランカからの行政官や政策研究者のほか、学術界およびNGOからの専門家が一堂に会し、政策の実施に関するプロセスや課題、機会について議論しました。

 ワークショップの成果は、研究プロジェクトの最終報告書として取りまとめられるほか、成果をふまえて政策立案者向けの技術的指針となるマニュアルが作成され、生物多様性ポスト2020目標に向けた協議プロセスを通じて共有される予定です。

 



4.IPBES評価報告書 外部レビュー募集

 生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES)では、生物多様性及び生態系機能、生態系サービスを含む「自然とその恵みに関する多様な価値観の概念化に関する方法論的評価」に関する章の一次ドラフトの外部レビューを開始しました。
 今回の外部レビューの締め切りは、2019年9月22日です。IPSIメンバーおよび関連する専門知識をお持ちの方は、是非レビューへご参加ください。ご希望の方は、こちら(英語)よりご登録いただけます。

 


5.新IPSIメンバー紹介:フィリピン大学ロスバニョス校 森林・天然資源カレッジ 社会林業・森林管理学科

 フィリピン大学ロスバニョス校 森林・天然資源カレッジ 社会林業・森林管理学科は、林業と天然資源に関する政治・行政分野を含め、社会林業学科と林業改良普及所の課題領域を拡張することを目的として、1998年に再編されて創設された学科です。林業分野における学際的共同研究の先駆的組織として、森林保全と持続可能な開発における質の高い教育に率先して取り組んでいます。また、教育、研究、改良普及機能を通じ、社会林業・森林管理に関する最新知識を向上させつつ、参加型農村開発アプローチを通じて、個人やコミュニティ、組織の能力を向上させることを目指しています。

 本学科についての詳細は、こちら(英語)よりご覧ください。

  

 

6.ケーススタディ紹介:行政院農業委員会水土保持局(SWCB

  IPSIメンバーである台湾の行政院農業委員会水土保持局(SWCB)より「Taking care of the elderly as the core of rural transformation in Shangde community, Taitung, Taiwan」と題したケーススタディが提出されました。

 台湾東部の台東にある尚徳は、かつては高級レモングラス栽培とシトロネラ油製造で栄えた人口2,000人以上の村でしたが、1967年以降の合成化学物質の台頭を背景とする天然シトロネラ油の大幅な市場縮小および価格下落により、1980年代には多くの住民が地域農業をやめて流出し、人口は200人未満に減少しました。また、その社会経済的な影響は、農業収入の減少、雇用機会のための若者の流出、農地の荒廃、コミュニティの高齢化などにも及びました。しかし、2011年には、若者の団体が、村の高齢者を巻き込みながら、若さを活かして環境に優しい農法やアロマ・ハーブなどの高価格農作物生産によって農村コミュニティを活性化させる取り組みを企画し、この試みにより、高齢者の健康改善や所得向上のみならず、コミュニティの社会的結束力も生まれました。さらに、農業目的での農地の維持、環境に優しい農法の振興、高価格農作物の生産、作物の高付加価値化を通じて、里山の再生に向けてより多くの若者を惹きつけています。

 本ケーススタディの詳細は、IPSIウェブサイトのケーススタディのページにてご覧いただけます。

 

 なお、本ニュースレターで共有を希望されるイベント等の情報がございましたら、IPSI事務局までご連絡ください。また、記事は日本語版ニュースレターのみの掲載も可能です。皆様からの情報提供をお待ちしております。

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SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)事務局
国際連合大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS
東京都渋谷区神宮前5-53-70
電話:03-5467-1212(代表)
E-mail: isi@unu.edu

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