CBDイベント

2018年7月12日:生物多様性条約第22回科学技術助言補助機関会合(CBD SBSTTA-22)サイドイベント「生産ランドスケープ・シースケープにおける生物多様性の主流化:統合的アプローチによるNBSAPsの策定と実施」

2018.07.12

IPSI事務局を務める国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)は、生物多様性条約(CBD)事務局と、日本国環境省、エストニア環境省と共催し、カナダモントリオールで開催された生物多様性条約第2回条約実施補助機関会合において、サイドイベントを開催しました。

本イベントでは、CBD事務局の協力の下、UNU-IASと東京大学サステイナビリティ学連携研究機構(UT-IR3S)が実施している「自然共生社会の実現に向けた⽣物多様性国家戦略及び⾏動計画(NBSAPs)の策定と実施に関する調査」プロジェクトの結果報告が行われました。

一連の包括的な背景調査では、NBSAPsに統合的な管理アプローチがどの程度取り入れられているか確認することを目的に、人の生産活動を維持するランドスケープとシースケープに対する上記アプローチに関してNBSAPsのレビューと分析が行われました。

具体的には、以下の調査研究が含まれています。

(i) SATOYAMAイニシアティブの下で発展してきた「文化的ランドスケープ」、「世界重要農業遺産システム(GIAHS)」、「社会生態学的生産ランドスケープ・シースケープ(SEPLS)」を含む、生産ランドスケープ・シースケープの統合的管理アプローチに関連したコンセプトのレビュー、

(ii) 上記コンセプトと手法がどのようにNBSAPsに取り入れられ、実施されているかに焦点を当てた2つの大規模かつ詳細な研究を通じたNBSAPsの分析

これらの背景調査を踏まえ、NBSAPsの下での上記アプローチの具体的な実施プロセスについて洞察を得て、今後の検討を行うために、異なる地域から多数の締約国が参加した国際ワークショップが20181月に東京で開催されました。

本サイドイベントでは、東京国際ワークショップの結果について報告され、今後のNBSAPの発展と生産ランドスケープ・シースケープへの統合的アプローチに関する手法の実施に向けた有益な知見の提供と提言を行う目的で、ワークショップに参加した締約国の発表者らが、各国の経験について共有しました。

開会挨拶:

田中 英二氏、UNU-IAS SATOYAMAイニシアティブコーディネーター

NBSAPsの下での生産ランドスケープ・シースケープに対する統合的アプローチの包摂と実施に関する研究結果 (Research Findings on Incorporating and Implementing Integrated Approaches for Production Landscapes and Seascapes under NBSAPs):
イヴォーン・ユー氏、UNU-IAS リサーチアソシエイト

NBSAPsの下での生産ランドスケープ・シースケープに対する統合的アプローチの包摂と実施に関する各国の知見 (Incorporating and Implementing Integrated Approaches for Production Landscapes and Seascapes under NBSAPs):

Kadri Möller氏、エストニア環境省自然保護局アドバイザー

中澤 圭一氏、日本国環境省自然環境局自然環境計画課生物多様性戦略推進室室長

Andrew Stott氏、英国環境・食糧・農村地域省


質疑応答およびディスカッション

モデレーター:スニータ・サブラマニアン氏、UNU-IAS

パネリスト:上記各国代表発表者およびCBD事務局

ゲストスピーカー:Bruno Leles氏、サンパウロ大学生態学部
Contributions of Socio-Ecological Production Landscapes and Seascapes to the achievement of Aichi Biodiversity Target 11 in the group of Like-Minded Megadiverse Countries