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☃️冬のニュースレターへようこそ!
以下は、今号のハイライトです。
  • UNU-IASがHACのサポーターに加入
  • 新規IPSIメンバーとIPSI協力活動
  • 生態系回復の指針となる実践基準
  • 人間と草原生態系との相互作用に関するケーススタディ
  • その他
皆さんの活動に関するケーススタディやニュースをお寄せください。
-IPSI 事務局

UNU-IASが自然と人々のための高い野心連合(HAC for N&P)に協力

UNU-IAS joins HAC banner Newsletter
この度UNU-IASは、2030年までに陸と海の30%を保全する目標の達成に向け、自然と人々のための高い野心連合(High Ambition Coalition for Nature and People)のサポーターになりました。HAC for N&Pは、この野心的な目標にコミットする118カ国の連合で、生物多様性が直面する緊急の脅威に対応するためにCOP 15で設立されました。本イニシアティブは、人間の幸福と経済の回復力に不可欠な生態系を保全することを目指しています。

2024年2月10日、HACは公式のパートナーとサポーター発表し、IPSI事務局を通じてUNU-IASをサポーターとして歓迎しました。パートナーは連合の戦略とイニシアティブを積極的に形成する非国家主体ですが、UNU-IASのようなサポーターは専門知識や資源、支援活動への貢献が期待されています。
HAC Supporters
この協力の中で、UNU-IASは、ランドスケープアプローチや社会生態学的システムの思考における専門性をIPSIメンバーと共に活用し、HACの目標を推進します。UNU-IASは、IPSIのケーススタディを参考にして、コミュニティとその環境との関係に関する洞察を提供し、連合の戦略強化を促します。

UNU-IASは、包括的で参加型の方法を優先することで、陸と海の30%を保全する努力が、多様な文化的背景を尊重し、環境変化の影響を最も受けやすい人々の権利が保護されるよう努めていきます。これは、彼らの見解に耳を傾けるだけでなく、尊重しながら地域社会や先住民族の声を増幅することを含みます。

UNU-IASがサポーターとなり、HAC for N&Pは豊富な資源と専門知識にアクセスできるようになり、野心的な保全目標に向けて有意義な進展を遂げることが期待されます。このパートナーシップは、自然が繁栄し、人類と地球の両方に利益をもたらす持続可能な未来への道をともに切り開くことを目指しています。

HACパートナーまたはサポーターになる方法については、こちらをご覧ください。
お知らせ

新規IPSIメンバーの紹介

この度、IPSI運営委員会は、IPSIメンバーとして新たに10団体の加入を承認しました。これにより、IPSIメンバーは合計で314団体となりました。新規メンバーは以下の通りです。

学術研究機関
企業
地方自治体
NGO

新規IPSI協力活動の紹介

IPSI運営委員会は、新たに3つの IPSI協力活動も承認し、IPSI協力活動は合計63件となりました。新規協力活動は以下の通りです。
IPSI協力活動は、2団体以上のIPSIメンバーが協働して行う活動です。IPSI協力活動の実施をご希望されるIPSIメンバーは、IPSI事務局までご連絡ください。
ニュース

自然気候ソリューションに関するIPSI事務局のエキスパートコメントがモンガベイに掲載

REDD+ Safeguards and Benefit Sharing Project, Jambi_CIFOR_FLICKR

Image by Cooke Vieira/CIFOR via Flickr (CC BY-NC-ND 2.0)

2024年220日、環境科学と保護に関するニュースプラットフォームであるMongabayに、自然気候ソリューション(NCS: Natural Climate Solutions)を導く定義・原則を検討する研究に関する記事が掲載されました。自然気候ソリューションは気候変動を緩和するために、森林再生、保全、生態系の再生などの自然を基盤とした手法を用いた対策です。
本研究は自然気候ソリューションの効果と持続可能性を担保するために必要な原則を特定することを目的としています。自然気候ソリューションをデザインする際に、生物多様性、人権、そして広く生態学的な要素を考慮することの重要性を検討しています。
これらの原則を理解し取り入れることで、政策立案者や実務者は、気候変動対策と同時に生物多様性の保全や人間の幸福の保護を促進するための包括的かつ効果的な戦略を策定できます
IPSI事務局のスニータ・スブラマニアン研究員はより広く生態学的、社会的要素を考慮せずに気候変動のみにフォーカスすることの限界についてコメントしています。

スニータ研究員は、人権や生物多様性課題を考慮せず気候変動のみに終始する議論や介入は近視眼的です。また、原則案にあるように、CO2eのようには「定量」できない自然の価値を除外してしまうのは「危険な傾向」であるとも指摘しました。代わりに、気候緩和行動の評価においては、人間がどのように環境と関わっているかなど複雑な評価基準を統合するアプローチを探る必要があると主張しています。また、スニータ研究員は「気候、生物多様性および人間の幸福などの相互関連性を無視することは、生きとし生けるものへのひどい仕打ちとなりうる」、「解決策そのものが問題となりうる」と述べています。

記事全文はモンガベイのウェブサイトをご覧ください。
COMDEKS Phase 4 Event by KNCN and UNDP 2024

地域コミュニティへのCOMDEKSのインパクト

2024年2月13日、IPSI渡辺綱男事務局長が、小規模資金支援を通じて生物多様性と自然資源の持続可能な利用を促進する「SATOYAMAイニシアティブ推進プログラム(COMDEKS)に関する基調講演を行いました。講演は、地球環境ファシリティ小規模無償プログラムの下、これまでそしてこれからのCOMDEKSプロジェクトについて議論する会合の一部で、経団連自然保護協議会の会員企業や学術界、NGOなどからの参加がありました。本会合は経団連自然保護協議会、国連開発計画、日本国環境省が共催しました。

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ISAP 2023 Banner

ISAP2023会合にてSATOYAMA保全支援メカニズムのプロジェクトを議論

SATOYAMA保全支援メカニズム(SDM)が世界各地の社会生態学的生産ランドスケープ・シースケープ(SEPLS)における意義ある事業を推進しています。持続可能なアジア太平洋に関する国際フォーラム (ISAP2023)の会合において、参加者はコミュニティベースのマングローブ再生や伝統的農法など、SDMの包括的かつ地域に根差したアプローチを紹介する成功事例について学びました

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NBSAP Regional Dialogue IPSI Event 2024

NBSAPs地域ダイアローグにてIPSIのランドスケープアプローチを議論

東京で開催された「南・東アジア地域生物多様性国家戦略及び行動計画(NBSAP)ダイアローグ」の重要な議論を紹介します。CBD事務局(SCBD)が主催し、UNU-IASと日本国環境省が共催した本イベントでは、NBSAPsを昆明・モントリオール生物多様性枠組と早急に整合させる必要性が強調されました。特筆すべきは、UNU-IASとIGESがSCBDの支援を受けて作成した、NBSAPsへのランドスケープ・アプローチの統合に関する包括的なガイドが発表されたことです。

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出版物

生態系回復の指針となる実践基準

「生態系回復の指針となる実践基準:国連生態系回復の10年2021-2030への貢献Standards of practice to guide ecosystem restoration: A contribution to the United Nations Decade on Ecosystem Restoration 2021–2030」は300以上の提言を紹介し、森林から海洋まで各種の生態系や再生事業における長期的な成功に欠かせない主要な指針を紹介しています。

本稿は国連食糧農業機関、国際自然保護連合生態系管理委員会が22の協力機関と共に発行したものです。
ケーススタディ

人間と草原生態系との相互関係:草原ランドスケープの保全と環境教育

Fig 15

Figure 3. Sampling insects by beat netting in pomelo orchard.

行政院農業委員会水土保持局*が提出したケーススタディ

中国、台湾の苗栗県の沿岸丘陵地では、農地や住宅地が入り組んだ草原ランドスケープの中に、重要な生態系機能を持つ希少種や絶滅危惧種の植物が生息しています。

水土保持局(SWCB)*は、生態系への影響評価を実施し、環境に優しい建設手法を促進し、新埔地域と学校向けに環境教育ワークショップを企画しました。台湾林業研究所は、キャンパス内の希少植物や絶滅危惧植物を保全するために苗木を提供しました。地域コミュニティは、植物保全と伝統的な言語の保存のための環境教育プログラムを開発しました。

これらの活動により、貴重な草原ランドスケープが持続的に保全されることになります。

*2023年に行政院農業委員会水土保持局は、農業部農村発展及び水土保持署に昇格しました
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連絡先

連絡先やメールアドレスに変更があった場合は、事務局までお知らせください。

SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)事務局国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)

東京都渋谷区神宮前5-53-70電話:03-5467-1212(代表)E-mail: isi@unu.edu

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Cover photo by Mathieu Ramus on Unsplash

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SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)は、日本国環境省の支援により運営されています

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